No.679 可哀想な桜(2年続き)

 19年春の桜は、花冷えが続いたせいか「まだ咲いている」と散々な言われようだった。今思えば昨年の異常気象をあの桜が密かに教えてくれていたような気がする。
 20年の桜は今盛り。だけど今年は可哀想に愛でる人も少なそう。27日には東京都の公園が閉鎖され、有名な上野公園のさくら通りも立ち入りさえ禁止された。宴席の自粛はずいぶん前から通達されていたが、まさか「通るな」までエスカレートするとは。
 そんな中、総理大臣のお連れ合いが芸能人などを含む友人たちと花見をしている写真が出回った。当然ながら予算委員会でこの件について質問が出て、総理大臣は「私的なレストランの庭で撮影したもので問題はない」「(花見自粛といっても)レストランにも行くなとは言っていない」と答えた模様。
 更に食い下がる質問者に「冷静に、その時何について自粛要請が出ていたか知れば、問題ないことも分かる」だそうだ。
 このかたは、本当にコロナウィルスの対策を推進しようというのだろうか。どうもそう思えない。東京オリンピックが中止になっては困るから「今は緊急事態ではない」と言い続け、1年延期が決まったらたちまち、手にした伝家の宝刀(緊急事態宣言=首相にとてつもない強権が与えられる)を抜きたくて抜きたくてしかたない、聞き分けのない子どものようにしか見えない。
 春分の日を含む連休に自粛ムードが解けてしまい感染爆発につながったと専門家もどきは言う。そうかも知れない。だから下々は今日を含む週末の自粛を──しかも週末度に──迫られ、国民性としてわれらはそれを諾々と受ける。だが、とてつもない強権を持つ者たちは、「レストランは例外」「和牛券配るから」「ひょっとしたら魚介券も付けるから」と。
 あまりにもバカにしている。今に桜からしっぺ返しを受けろ!

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