No.682 人と人を遠ざけるウィルス

 日曜日の朝、もう30年以上続いている番組がある。「関口宏のサンデーモーニング」(現「サンデーモーニング」)だ。
 4月5日の放送で司会の関口宏が、感染拡大防止のためにコメンティターの間隔を広く空けた状況を説明し、「やりにくくなってますがしょうがない。コロナってのは人を遠ざけるっていう感じがあるのかな。」と漏らした。
 これはとても言い得て妙だと思った。「Stay home」が推奨され、感染しない/させないために、できるだけ人との接触を避ける(80%接触削減!)ことが求められるご時世。文字通り物理的・心理的に「人を遠ざける」ことが唯一取り得る最善の対処法なのだから。
 そして同時に、(関口風に言うならば)「コロナってのは世の中の矛盾を暴き出すっていう感じがあるのかな」。
 港区の保育園で職員が感染した。園児80人が濃厚接触した恐れがあるとして健康観察をするらしい。でも、その保育士だって意図せずウィルスをもらってしまったわけだろう。今はそういう事態が引き起こっているのだから。
 このような事態でも子どもを保育園に預けなければならない事情を持つ家庭もある。まして医療関係者だったり対策のために仕事を続ける人の家庭や、スーパーや公共交通機関で働く人、社会的インフラのために働く人たちとその家族であればなおさら。そしてそういうニーズがある以上、誰かがそれをカバーし、担いあう以外にない。まるで空気椅子の輪みたいに。
 だけど、空気椅子の輪が成立するためには、人への信頼が鍵だろう。自分の体を預けきる相手に対する信頼がなければ、どこかでバランスが崩れて、輪そのものが成立しない。
 すると、思考はまるでメビウスの輪のように最初に戻ってしまうではないか。「コロナってのは人を遠ざけるっていう感じがあるのかな」。

入社式やオリエンテーションでは団結訓練として取り組まれることも多いよなぁ。
空気椅子の輪

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