No.701 辞任

 総理大臣が辞任した。健康上の理由で継続を断念したことはさぞかし悔しいことであったろう。その点では同情申し上げるし、今後治療が進み回復されることを祈る。
 だが、この総理大臣の実績については全く評価できない。
 この方は、小泉首相が北朝鮮を電撃訪問したときに総理の横にいた(官房副長官だった)。だからかも知れないが、拉致問題について問われると「私自身が金委員長と向き合わなければいけないと決意している」と言うだけは言った。だがわたしたちの目にそれが行われているようには全く見えなかった。北方領土問題はどうか。地元山口県長門温泉(中でも高級で有名な旅館)に個人的に招待し、ロシア大統領との親密ぶりをアピールしたが、「最低でも2島」どころかひとつとして戻って来ない。一方で沖縄に対する新基地の押しつけと非情な差別、モリカケ問題やサクラ問題も「丁寧な説明」という言葉とは全く逆で、一言も説明していない。一体わたしたちは何を評価しろと?
 「今夜のお月さんはまん丸で雲一つない夜空にくっきり浮かんでいる。お月さんだけ見ていれば悠久の昔から面々と受け継いできた人間の歴史を痛感する。が家に入るとすぐに経験した事のない非常事態が宣言された先の見えない現実の困難さに心が萎える。しかしきちっと生き抜けるにはしっかりするしかない。」これは首相辞任と同じ日に死亡が伝えられた内海桂子師匠のTwitter。ユーモアの中にもピリリと風刺が効いた人柄が短い言葉でも伝わってくる。花王名人劇場で「桂子・好江」の漫才にどれだけ温かく笑わせてもらったことだろう。このツイートも97歳とは思えない。博士でも大臣でもなく、こういう人にこそなりたいものよ。「末は博士か大臣か」という言葉があったことなんて今では誰も信じないのではないか。
 そういう世情を彼は固めたのだ。7年、2803日かけてね。

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