隣地との間のフェンス工事が大体終了した。予定していた期間中強い雨が降って、隣地はぬかるみ状態のために、コンクリートを打っても安定しないだろうと思われる箇所を後日に残した。
昔テレビコマーシャルで「地図に残る仕事」というキャッチコピーがあった。確か大成建設のコマーシャル。大きなプロジェクトをいくつも手がける建設会社らしいコピーだ。そこまで大きくなくても全然良いのだけれど、いざ建物を建てるなら──「地図」はともかく、それは必ず歴史に残らざるを得ない──、築後何年それを使うつもりなのかを含めて、できるかぎり頭と時間とを使って取り組むべきだよなぁと、この頃つとに考えさせられている。
この教会が新築される頃、おそらく「バリアフリー」は最も先進的な取り組みだった。「教会こそバリアフリーを」だったのだ。だがそのバリアフリー路線のために、教会のグランドレベルは周囲の道路より低い。結果、内水氾濫がしょっちゅう起きる。
地境の設定も、都会ならではで隣地周辺どこも建物が建て混んでいるのだが、こちらが取り壊して更地になった時にしっかり測量したはずだ。なのにどうしてフェンスの土台が隣地に侵入したのだろう。施工管理の甘さが20年以上経ってのっぴきならない事態を引き起こしたわけだ。
つまり、未来にそうならないために、今できる最善のことを、出来るチャンスに決断してやらなければならなかったのだ。
100年を超える歴史を持ち、設立に宣教師が関わった教会を見ると、大概はその町の一等地に教会が建てられていたりする。宣教師をはじめとする先人たちの先見の明には驚かされる。宗教用語で翻訳すればこの「先見の明」こそ「篤い祈りが献げられた」と記されることなのだろう。
そういう思いを保って今を生きよう、今の仕事に向かおう。ムズいけどね。