No.683 文化芸術は、やはり必須だよ

 テレビを観ようと思ったが、ニュースや報道系ワイドショーはコロナウィルス関連しか扱わない。ドラマも新しいシリーズは「近日放映」という予告だけでどの局も過去の再放送が主流。生放送のバラエティはネットで出演者と中継をつなぐもので、YouTubeみたいなもの。結局観るべき思いにさせてくれるものとは出会えない。
 実際、心を安定させるためには過度に情報に触れないという処方も必要らしい。情報を遮断されれば不安は増すが、情報過多も不安を増す。その見切りは難しいのだけれども。
 とはいえ、「Stay home」と言われて、何をしたらいいのか戸惑い、ついつい手っ取り早くリモコンのスイッチを入れてしまう世代の人間としては、情報に晒される以外に選択肢がほとんどない。
 3・11直後、テレビはどの局もずっと被災状況を連日流し続けた。民放はコマーシャルを中止して「ACジャパン」のキャンペーンだけ流した。しばらく時間が経ってからようやくNHK教育テレビ(いわゆるEテレ)が通常放送を流し始め、驚くべき視聴率だったと言われている。
 音楽や舞台、芸能や話芸が欲しくなる。4月11日のミューザでのコンサートをずっと楽しみにしていたのだけれど、案の定中止になった。それはある意味致し方ない。だけど、こういう時だからこそ広い意味での芸術が本当に求められるのではないだろうか。だが、非常事態にはそれが一番最初に姿を消される。休業補償が取り沙汰されても、文化芸術に対する補償は議論の外。 そんな中、ネットを使って本来上演する予定だった演目を無料視聴させてくれるものもあるらしい。収益を得ることは不可能だろうけど、でも、一市民としては有難いことだ。
 この状態が収束したら、テレビの社会定位置も変化するかも知れないな。

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