聖書 箴言3:13−20/ローマ11:33−36/ヨハネ10:31−42/詩編139:1−10
No.706 本能と奇跡
昔、神学校の寮で犬を飼った。当時通っていた教会に来る子どもが、自分の家で生まれたけれど引き取り手が見つからないので教会バザーに連れてきたところ、何匹かは引き取り手が現れる中、結局夕方まで売れ残った最後の一匹を引き取った。
私が犬を飼ったのはそれが最初、つまり飼い主初心者だった。一方、犬だって人に育てられることは初めてなわけで、お互いがなんとなく関係を紡いでいった。35年も前は今のような「ペットブーム」ではなかったし、法的にも緩かったのか、あるいは自分が無知なだけだったのか、あるいは神学校の寮が山の中で社会と切り離された環境だったからか、何の制約もなく自由気ままな飼い主と飼い犬だった。
ある時、どうもこの犬が妊娠したらしい。そして臨月が近づくといつもの場所からいなくなった。数日後、その頃既につかわなくなって廃墟となっていた建物の床下で、2匹の子犬に囲まれて発見される。ちゃんと産後の処理も自分でしたようだった。誰が教えたわけでもなく、誰かを見習ったわけでもなく、本能だけでその一大事業をさらりと成し遂げたのだった。驚いた。
ある種の極限状態で、この犬にあった本能が急激に目ざめたのだろうか。人間にも眠っている本能があるのだろうか。いつか、何かの機会に、私もその眠っていた本能が発揮されることはあるのだろうか。ドラマのような、小説のようなテーマだ。
自分の人生。ほぼそんな劇的な場面に出くわすこと、体験することはないだろう。だが、わたしたちは生まれながら人間だ。それは間違いない。人格を持って生まれてくるのだ。だけど、生まれただけで「人間になる」のではない。既に「人間」として生まれてくる、しかし幸せも傷もたっぷり味わうことでだんだんと「人間になる」のだ。それはそれで奇跡ではないか。
10月11日の礼拝
聖霊降臨節第19主日 主題「永遠の住み家」 |
第一礼拝 |
聖書 創世記 2章7-9節 |
おはなし パートナー |
担当 武田直美 |
第二礼拝 10:30~11:45 |
聖書 |
預言書 ダニエル 12章1-4節 |
使徒書 コリントの信徒への手紙Ⅱ 5章1-10節 |
福音書 ヨハネによる福音書 11章1-16節 |
賛美歌 賛美歌21から 576番 ほか |
説教者 滝澤貢牧師 |
礼拝後の予定 CS教師会 |
※コロナ対策のため短縮礼拝です |
10月4日の礼拝
聖霊降臨節第18主日 主題「神の富と知恵」 |
第一礼拝 |
聖書 創世記 1章31節-2章3節 |
おはなし 最高傑作 ! |
担当 黒木恵美子 |
第二礼拝 10:30~11:45 |
聖書 |
預言書 箴言 3章13-20節 |
使徒書 ローマの信徒への手紙 11章33-36節 |
福音書 ヨハネによる福音書 10章31-42節 |
賛美歌 賛美歌21から 360番 ほか |
説教者 滝澤貢牧師 |
聖餐式執行 配餐 石浦悦子・松岡信子 |
礼拝後の予定 10月定例役員会 |
※コロナ対策のため短縮礼拝です |
No.705 佐々木正美先生
先日佐々木正美先生の新しい本を手に入れた。主婦の友社の雑誌「Como」で2004年から休刊する17年まで続いた連載「子育て悩み相談」で佐々木先生の回答をまとめたもの。17年といえば先生が亡くなった年。最期までこういう仕事を続けていたのだ。先生らしいではないか。
最初の部分にこんなことが書かれている。「最良の選択をして、目標に向かって努力する。それが良い人生だと、それが幸せなのだと、多くの人は考えています。悪いことではありません。でもその結果、理想と現実が違ったとき「人生は失敗だった」と思うのでしょうか。だとすれば人生は不安だらけです。(中略)人生を限定してしまわないでください。自分の与えられた運命を受け入れて、その中で誠実に生きていけば、最終的には「これで良かったんだ」と思える人生になるのではないでしょうか。」。
不安はいくらでも枝分かれする。どこまでもつきまとう。右を選んだら左にはもう進めないのに、見もしない左を選ばなかったことに不安を感じる。豊かで平和で自由で平等な社会(判定基準は微妙だが…)で、わたしたちは何をしても何を選んでもどこまでも不安につきまとわれている。挙げ句、不安をもたらした自分以外の原因への責任追及に、貴重な人生の多くの時間を費やしたりする。
「自分の与えられた運命を受け入れ」るとは、消極的に響く。しかたないという諦めの響き。だが、佐々木先生はそうは仰らない。自分に与えられた運命こそ、たとえそれがどのようであったとしても天恵なのだと。そう信じ切ったとき、最終的には「これで良かった」と思えるのだ、と。
先生の「子育て悩み相談」にはだから魔法の〆の言葉がある。「大丈夫ですよ、必ずいい子に育ちます」。どれだけ厳しい現実を抱える相談者にも、先生は心からそう言い切る。そう、変えるのは自分の心。自分を受け入れることなのだ。
No.704 マイノリティの極み
新しい内閣総理大臣が指名され、誕生した新内閣支持率は日本経済新聞の世論調査で74%、政権発足時としては過去3番目の高さだったとか。その理由が首相の人柄や安定感なんだと。となると、支持出来ないと思っている私はこの国では1/4。ここでも圧倒的なマイノリティだ。
どうして支持しないのか。そもそも「政権」という存在が私個人の確立にあたっていつでも障壁なのだと認識しているからだ。自分が信託するであろう政党やそれを含むグループが政権を握ったとしてもそれは同じ。支持しているのであればむしろより一層政権の暴走に目を光らせることになるだろう。第2に、選挙とは最善を選択する行為ではなく最悪を避ける行為だと思うからだ。私個人の確立を誰かにお任せはしない。任せて安心などしない。
それにしても、首相初めての記者会見で「国民のために働く内閣」と掲げたのには笑ってしまった。そしてすぐに暗い心持ちになった。なぜか。そもそも政府は国民のために働くものだ。憲法第15条2項に「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」とある以上、あまりにも当たり前だ。だから笑ってしまった。だが、ひょっとしたらこの国は、今新総理がそのように言わなければならないのが現実なのかも知れぬ。それを思うと暗い心持ちになってしまった。
読みようによっては新総理は言外に「(これまで)内閣は国民のために働いてこなかった」と言っているのかも知れない。それならば、(それでも)支持はしないが、その言行が一致するかどうか、これからも厳しい目でチェックし続けようと思う。鳴り物入りの「デジタル相」に曰く付きの電通出身者を据えるあたり、既に言行不一致ではないかとの疑いが拭えないが。
秋田県湯沢市は衰退が激しい1万8千弱の地方極小都市。それゆえにこれを上昇の機運にしたいのだろうが、そんなにうまくいくかなぁ。
9月27日の礼拝
聖霊降臨節第17主日 主題「キリストの住まい」 |
伊藤信彦牧師特別礼拝 |
第一礼拝 |
聖書 申命記8章2-10節 |
おはなし 40年の旅の意味 |
担当 佐竹郁子 |
第二礼拝 10:30~11:45 |
聖書 |
預言書 歴代誌下7章11-16節 |
使徒書 エフェソの信徒への手紙3章14-21節 |
福音書 ヨハネによる福音書 10章22-30節 |
賛美歌 賛美歌21から 18番 475番 ほか |
説教題 人知を超える愛~祈りはかなえられる~ |
説教者 伊藤信彦牧師 |
礼拝後の予定 役員打合せ |
※コロナ対策のため短縮礼拝です |